このページでは、トラックドライバーの法定12項目のひとつである「適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況」について詳しく解説しています。安全な運行経路の選び方や、出発前に確認しておきたい道路・交通・気象情報、事故やヒヤリハットが多い地点への備えなどをまとめています。
「適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況」は、国土交通省が定めるドライバー教育の法定12項目のひとつです。指導監督指針では、事業で利用する主な道路や交通の状況をあらかじめ把握させ、その状況を踏まえて、安全に運転するために注意すべきポイントを指導することが求められています。
また、実際に発生した交通事故や、事故には至らなかったものの「危ない」と感じたヒヤリハット事例などを活用しながら、危険箇所や注意点を具体的に理解させることも重要です。
※参照元:国土交通省pdf(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/kamotsu_sidou.pdf)
安全な運行を行うためには、目的地までの道を単に確認するだけでは十分ではありません。国土交通省の指導監督マニュアルでは、到着時間や気象条件、地理的条件などを考慮し、適切な運行経路をあらかじめ検討しておくことが必要とされています。
山間部の上り坂・下り坂や住宅街の狭い道路など、トラックでは特に注意が必要な場所もあります。経路を選ぶ際には「一番短い道」「一番早い道」だけでなく、安全に走行できるかという視点を持つことが重要です。
※参照元:国土交通省pdf(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/truck_honpen.pdf)
トラックは乗用車と比べて車体が大きく、車高や車幅、内輪差などにも注意が必要です。住宅地の狭い道路や急な坂道などでは、安全に通行できるかをあらかじめ確認し、車両の大きさや特性に合った経路を選択することが大切です。
国土交通省の指導監督マニュアルでは、安全性を考えたルート選択として、夜間の住宅地走行や通学路、人混みの多い場所などをなるべく避けることが示されています。
歩行者や自転車が多い道路では接触事故のリスクも高まるため、時間帯によって道路の状況が変化することも考慮して経路を決める必要があります。
運行経路上に事故が発生しやすい交差点や危険箇所がないかを確認しておくことも重要です。各都道府県警察などが公開している交通事故情報を活用することで、事故の危険性が高い場所を事前に把握できます。
危険箇所を完全に避けられない場合には、「どこで、どのような危険があるのか」を知ったうえで慎重に走行することが事故防止につながります。
適切な経路を設定していても、道路や交通の状況は常に同じとは限りません。事故や工事、渋滞、悪天候などによって、安全に走行できる条件が変化する場合があります。そのため、運行前に最新の道路事情・交通状況・気象状況を確認することが必要です。
工事や通行止め、道路の幅員、坂道など、安全な走行に影響する道路の状況を確認します。
渋滞や事故、交通規制などを確認し、必要に応じて運行経路や時間に余裕を持たせます。
雨や雪、強風などが予想される場合には、道路状況への影響も考慮します。特に積雪が予想される地域では、気象情報を事前に確認して必要な準備を行うことが重要です。
事故が発生しやすい交差点や、自社のドライバーが過去にヒヤリハットを経験した地点なども確認しておきます。
※参照元:国土交通省pdf(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/truck_honpen.pdf)
気象情報は確認するだけでなく、その情報を実際の運行準備につなげることが大切です。国土交通省の指導監督マニュアルでは、積雪などの情報がある場合には、冬用タイヤの装着や滑り止めの準備などを行うことが示されています。
雪や路面凍結が予想される場合には、冬用タイヤなど必要な装備を確認します。また、通常よりも走行に時間がかかる可能性を考え、余裕を持った運行計画を立てることも重要です。
大雨などによって道路状況が悪化したり、強風によってトラックの走行が不安定になったりすることがあります。特に車高の高い車両や荷物の状態によっては風の影響を受けやすいため、天候と車両特性の両方を踏まえて安全な運行を判断する必要があります。
事故情報だけでなく、ドライバーが「もう少しで事故になるところだった」と感じたヒヤリハットの情報も、安全な経路を考えるうえで役立ちます。
たとえば、「見通しの悪い交差点で自転車が飛び出してきた」「狭い道路で対向車とのすれ違いが難しかった」といった情報を社内で共有することで、事故が起きる前に危険箇所を把握し、注意喚起や経路の見直しにつなげることができます。
過去に自社で事故が発生した場所については、場所だけでなく、時間帯や事故の原因、周囲の道路状況なども合わせて共有すると、より具体的な安全教育につながります。
日々同じ地域を走るドライバーは、地図だけでは分からない危険を把握していることがあります。ヒヤリハットを報告しやすい環境を整え、現場で得た危険情報をほかのドライバーにも共有することが重要です。
安全な運行のためには、出発前にルートを決めるだけではなく、その計画に沿って運行することも大切です。国土交通省の指導監督マニュアルでは、あらかじめ計画したルート、休憩地、休憩時間などを守ることが、安全の確保につながるとしています。
予定より遅れているからといって無理に速度を上げたり、休憩を省いたりすれば、別の事故リスクを生む可能性があります。到着時間だけを優先せず、安全を確保できる計画と運行を心がける必要があります。
出発前に安全な経路を設定していても、運行中に事故や通行止め、急な天候変化などが発生することがあります。こうした場合には、当初の予定に固執するのではなく、最新の情報を確認しながら安全を優先した対応を行うことが大切です。
経路変更が必要になった場合は、安全な場所に停車して情報を確認するなど、運転中のスマートフォン操作などを行わないことが大前提です。また、自社で経路変更時の連絡ルールを定めている場合には、運行管理者などへ連絡し、指示を確認します。
国土交通省の指導監督マニュアルでは、デジタルタコグラフやGPSなどを活用した運行経路情報の把握についても紹介されています。運行したルートを記録することで、過去の運行を振り返り、次回のより安全な経路選択に活かすことができます。
また、ヒヤリハットが発生した地点などを社内で共有する仕組みがあれば、特定のドライバーだけが危険情報を知っている状態を防ぎやすくなります。
※参照元:国土交通省pdf(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/truck_honpen.pdf)
車両の構造や積載する貨物が特殊で、法令にもとづく許可を受けて運行する場合には、通常の経路選択とは異なる注意が必要です。指導監督指針では、このような車両について、安全に通行できる経路としてあらかじめ設定された経路を通行するよう指導することが求められています。
許可に通行経路や通行時間などの条件が付されている場合には、その条件を遵守しなければなりません。また、運行前に道路状況を確認し、安全に走行できる状態であるかを把握しておくことも重要です。
※参照元:国土交通省pdf(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/kamotsu_sidou.pdf)
カーナビで目的地までのルートが表示されても、必ずしもその道路が自分のトラックに適しているとは限りません。狭い道路や高さ・幅などに注意が必要な場所もあるため、車両の特性や道路状況まで含めて経路を確認することが大切です。
距離が短いルートであっても、住宅街や通学路、急な坂道、事故の多い交差点などを通過する場合があります。経路選択では効率だけでなく、安全性を優先して判断することが重要です。
普段から走行している道路でも、工事や事故、渋滞、天候などによって状況は変化します。「いつもの道だから大丈夫」と考えず、運行ごとに必要な情報を確認する習慣をつけることが大切です。
安全な経路を事前に計画することは重要ですが、事故や通行止めなどによって予定していた道路を安全に走行できない場合もあります。状況が変わったときには、社内ルールや許可条件などを確認したうえで、安全を優先して適切に判断する必要があります。
「適切な運行の経路及び当該経路における道路及び交通の状況」の教育では、目的地までの道順を覚えさせるだけでは十分とはいえません。道路の幅や勾配、事故が起きやすい場所、歩行者の多い時間帯、気象条件などを踏まえて、その経路を安全に走るために何へ注意すべきなのかを理解させることが重要です。
自社の事故・ヒヤリハット情報や実際の運行データなども活用しながら、危険箇所を社内で共有し、運行前に必要な情報を確認する習慣を身につけられるよう継続して教育していきましょう。
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