このページでは、法定12項目の一つである過積載の危険性について解説します。過積載は罰則の重さだけでなく、運転特性そのものを大きく変えてしまう危険な行為です。ドライバーへの指導ポイントと、荷主側の事情で起こりやすい過積載への対応まで整理します。
過積載とは、車検証に記載された最大積載量を超えて荷物を積み、走行することを指します。単なる法令違反にとどまらず、車両の運動性能を大きく低下させ、重大事故に直結しやすい行為として、法定12項目の一つに定められています。
※参照元:国土交通省「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03safety/resourse/data/kamotsu_sidou.pdf)
過積載状態のトラックは、通常の車両とは異なる挙動を示します。積載重量が増すほど、以下のようなリスクが高まることをドライバーに具体的に理解させることが指導の出発点です。
これらのリスクは、荷物を積んだ直後は体感しにくく、「今まで大丈夫だったから」という経験則が過積載の常態化を招きやすい点にも注意が必要です。
過積載が発覚した場合の罰則は、立場によって異なります。教育の場では「自分(ドライバー)だけの問題ではない」ことも合わせて伝えると、当事者意識が高まります。
中型・大型トラックの場合、超過割合に応じて以下のような反則金・違反点数が科されます。
事業者がドライバーに過積載を指示・容認した場合は、より重い罰則の対象となります。また、運行管理者の資格取り消しや事業許可の取り消しといった重い行政処分に発展する可能性もあります。
過積載は運送事業者・ドライバーだけの責任ではありません。荷主の主体的な関与が認められる場合、道路交通法に基づき警察署長から再発防止命令が出され、違反すると6か月以下の拘禁刑または10万円以下の罰金が科されることがあります。また、貨物自動車運送事業法に基づく「荷主勧告制度」により、国土交通省から協力要請書・警告書が発行され、従わない場合は勧告・社名公表に至るケースもあります。
※参照元:国土交通省「トラック・物流Gメンについて」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk4_000116.html)
現場では、荷主から「この量で1台に積んでほしい」といった要求を受け、断りきれずに過積載に近い状態で運行してしまうケースも見られます。ドライバー個人の判断に委ねるのではなく、会社として荷主対応の方針を持っておくことが重要です。
国土交通省は、悪質な荷主・元請事業者に是正指導を行う「トラック・物流Gメン」の体制を令和6年11月に拡充しました。過積載になるような依頼が繰り返される場合、国土交通省の目安箱(通報窓口)を通じて情報提供できることも、教育の中でドライバー・運行管理者双方に周知しておくとよいでしょう。
過積載防止の教育は、罰則の説明だけで終わらせず、日常業務の中でどう確認するかまで落とし込むことが重要です。
⑤についても、他の法定12項目と同様に指導及び監督を実施した記録を作成し、3年間保存する義務があります。記録には、実施日、指導内容(取り上げた事故事例・罰則・確認手順など)、対象ドライバーを具体的に残しておきましょう。荷役作業中の労働災害を扱う項目とはテーマが異なるため、記録簿上も項目を分けて管理すると実施状況の説明がしやすくなります。
過積載は「今まで事故が起きていないから」という感覚が定着を妨げる典型的なテーマです。実際に発生した横転事故やタイヤバーストの事例を教材にする、点検表に積載量確認の項目を明記するなど、確認行為そのものを業務フローに組み込むことが形骸化を防ぐポイントになります。
当メディアでは、ベテランが多い、あるいは時間が不規則といった「現場の状況」に合わせた比較軸で各サービスを解説しています。自社が抱える事故リスクを解消するために、どの観点で比較すべきか。
より詳しいサービスの特徴や選び方のポイントは、ぜひTOPページでご確認ください。
教育に必要な内容は、ベテラン・初心者が多いか、あるいは勤務時間が異なりドライバー全員参加での研修が難しいといった現場の状況によって異なります。そこで今回は、それぞれの状況に合わせた3社を厳選。自社にフィットするサービスをご紹介します。