トラック冬道・雪道の安全対策と指導法

このページでは、運送会社の安全教育担当者向けに、冬の「雪道・凍結路」におけるトラック走行の安全対策と指導法について解説します。冬は大型車の立ち往生が社会的な問題になりやすく、事業者としての対応が問われる季節です。冬本番の前に押さえておきたい準備と、点呼・朝礼でそのまま使える指導ポイントをまとめています。

冬のトラック運行で事業者に求められる対応

大雪のたびに、冬用タイヤの未装着などが原因となる大型車の立ち往生が発生し、深刻な渋滞や通行止めにつながってきました。国土交通省は、冬用タイヤの未装着などで立ち往生した事業用自動車のうち悪質な事例については、監査のうえ、安全管理義務違反として事業者の行政処分を行うという方針を示しています。ドライバー個人の問題ではなく、運行管理を行う事業者の責任として扱われる点が重要です。

また、国土交通省は、大雪時など輸送の安全確保に支障を生ずるおそれがあるときは、運行の中止等の指示や、冬用タイヤの溝の深さ・滑り止めの措置が講じられていることの確認など、必要な措置を講じることを運送事業者に求めています。

※参照元:国土交通省「物流・自動車局での大雪時の大型車立ち往生防止対策について」(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha08_hh_005315.html)

点呼で「冬用タイヤの確認」が行われているかを確認するルール

令和3年1月の通達改正により、トラック運送事業では、整備管理者が雪道を走行する自動車のタイヤの溝の深さを確認し、運行管理者は点呼の際にその確認が行われていることを確認するルールが設けられています。「タイヤは整備側の仕事」と切り分けず、点呼の場で確認が行われているかを運行管理者が押さえておく必要があります。

※参照元:国土交通省「大雪時におけるトラック・バスの輸送の安全確保について」(https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/toukidourokanri/pdf05/02.pdf)

冬用タイヤとチェーン|
ドライバーに伝えるべき基本

「溝深さ50%」と「全輪装着」が基本

国土交通省のリーフレットでは、積雪・凍結路では適切な冬用タイヤを装着することに加え、冬用タイヤの溝深さが新品時の50%以上残っていることを、タイヤ側面の「プラットホーム」で確認するよう呼びかけています。冬用タイヤは全車輪に装着しないと挙動が安定しない点も、あわせて伝えておきましょう。

※参照元:国土交通省 自動車のリコール・不具合情報「冬用タイヤの溝深さに注意!」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/carsafety_sub/carsafety037.html)

オールシーズンタイヤを過信しない

同リーフレットによると、オールシーズンタイヤは「ちらつく程度の降雪」で路面と一部接触できる積雪状況を想定したタイヤです。路面を覆うほどの積雪路・凍結路では、スタッドレス表記(国内表記)またはスノーフレークマーク(国際表記)が付いた冬用タイヤを全車輪に装着するよう求められています。スノーフレークマークのないオールシーズンタイヤは、冬用タイヤの代わりにならない点を、ドライバーにも明確に伝えましょう。

※参照元:国土交通省 自動車のリコール・不具合情報「雪道での立ち往生に注意!」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/carsafety_sub/carsafety039.html)

チェーンは「携行」し、立ち往生する前に装着する

大雪警報が出るなど相当量の積雪が見込まれる場合は、チェーンの携行が必要です。降雪時は、立ち往生してからでは装着が極めて困難になるため、早めに装着することが重要とされています。チェーンはサイズや締め方が不適切だと効果が得られないため、シーズン前に実際に取り付ける練習をしておくと安心です。

また、冬用タイヤやチェーンにも性能の限界があります。深い新雪の積雪路などでは走行が困難になることを前提に、無理だと判断したら進まない・引き返すという判断基準を、あらかじめ共有しておきましょう。

大雪時の「チェーン規制」にも注意

大雪特別警報などが発表されるような異例の降雪時には、指定された区間で冬用タイヤを装着していても、タイヤチェーンを装着していないと通行できない「チェーン規制」が実施されることがあります。規制の実施区間や発令状況は年度や気象条件で変わるため、運行前に道路管理者の最新情報を確認する習慣をつけさせてください。

※参照元:国土交通省「道路:雪防災(チェーン規制)」(https://www.mlit.go.jp/road/bosai/fuyumichi/tirechains.html)

防滑措置の義務と反則金

積雪・凍結した路面では、都道府県の道路交通法施行細則や道路交通規則により、タイヤチェーンの装着などの防滑措置を講じることが義務付けられています(沖縄県を除く)。違反した場合は反則金が適用されることがあり、国土交通省四国地方整備局の案内では、大型車は7,000円とされています。罰則の大小よりも、立ち往生による事業者への影響の大きさを伝える方が、ドライバーの行動を変えやすくなります。

※参照元:国土交通省 四国地方整備局「冬期は事前の冬用タイヤ・チェーンの装着携行を」(https://www.skr.mlit.go.jp/road/toukikoho/index.html)

凍結路面で事故を防ぐ運転のポイント

見た目で判断できない「ブラックアイスバーン」

路面がアスファルトの色に見えていても、表面が凍結していることがあります。JAFが乗用車(時速40km・スタッドレスタイヤ・ABS作動)で行ったテストでは、ブラックアイスバーンの制動距離は69.5mで、ウエット路面と比べて50m以上の差がありました。見た目がほとんど変わらないため、特に夜間は判別が難しくなります。トラックは車重があるため、この条件下ではさらに停止しにくくなるおそれがあります。

※参照元:JAF「ブラックアイスバーン(JAFユーザーテスト)」(https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/snow/black-ice-burn)

凍結しやすい場所を事前に伝えておく

凍結が特に起こりやすいのは、地熱の影響を受けにくく風が吹き抜ける橋の上と、日陰になりやすく風が強いトンネルの出入口付近です。トンネルの内部は凍結しにくいため油断しやすい点も、あわせて指導のポイントになります。

※参照元:JAF交通安全トレーニング「積雪・凍結路面対策」(https://jaf-training.jp/column/winter-frozen-road/)

「急」のつく操作をしない

凍結路面では、急ブレーキ・急ハンドル・急加速のいずれもスリップにつながります。速度を落とし、普段より車間距離を大きく取って、早めに減速を始めることが基本です。雨天時の対策と同じ考え方ですが、冬は制動距離の伸び方がさらに大きくなるため、「雨の日の感覚のまま走らない」と伝えておくと理解されやすくなります。

運行前の判断が事故を防ぐ|
運行管理者の実務

気象・道路情報の確認と、運行中止・迂回の判断

大雪のおそれがある場合、道路管理者は予防的通行止めを実施することがあります。運行前には、気象庁の「今後の雪」、日本道路交通情報センター、各高速道路会社などの最新情報を確認し、通行止めや規制の可能性があるルートを避けた広域迂回・ルート見直しを行うことが求められています。

※参照元:国土交通省関東地方整備局ほか「年末年始における車での移動の際のお願い」(令和7年12月26日)(https://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kisha_03019.pdf)

荷主との事前調整も安全対策の一部

国土交通省は、大雪時には交通規制や渋滞で配送に遅延が生じる場合があることへの理解を、荷主にも求めています。納期を優先するあまり、無理な運行につながらないよう、大雪が予想される場合は荷主へ早めに連絡し、納品時間の調整を事前に合意しておくことも、運行管理者の大切な役割です。

立ち往生に備える装備の例

万が一立ち往生した場合に備えて、運行前に次のような備えを確認しておきましょう(いずれも一般的な備えの例であり、車両や運行区間に応じて見直してください)。

  • 燃料の残量(満タン近くにしておく)
  • 防寒具、飲料水、食料など、長時間の待機に備えたもの
  • 携帯電話の充電手段
  • タイヤチェーンと、取り付けに必要な手袋・ライトなどの小物

明日から使える!運行管理者のための
「点呼・朝礼指導ネタ」

「雪だから気をつけて」と声をかけるだけでは、ドライバーの行動は変わりません。現場ですぐに使える具体的な問いかけの例をご紹介します。

朝礼台本:「立ち往生は自分の会社の問題になる」を伝えるスピーチ例

「冬は、大雪で大型トラックが立ち往生して、道路が何時間も止まってしまうことがあります。国も、冬用タイヤをつけていなかった事業者は、監査をして行政処分の対象にすると言っています。つまり、皆さん一人ひとりのタイヤの確認が、会社の信用や仕事そのものを守ることにつながります。今日からは、出発前にタイヤの溝とチェーンを必ず確認してください。」

乗務前点呼:自発的な確認を引き出す質問例

点呼時に「気をつけてね」と言う代わりに、以下のような質問を投げかけ、ドライバー自身に確認行動を思い出させることが効果的です。

  • 「今日のタイヤ、溝の深さはプラットホームまで確認した?」
  • 「チェーンは積んである? すぐ取り出せる場所にある?」
  • 「今日通るルートで、橋やトンネルの出口はどこにある?」
  • 「通行止めになったら、どこへ迂回する?」

冬の安全教育のマンネリ化を防ぐには?
外部サービスの活用

冬の安全指導は毎年同じ内容の注意喚起になりやすく、ドライバーに聞き流されてしまうという課題があります。特に、普段雪が降らない地域のドライバーほど、雪道の怖さを実感しにくいのが実情です。

言葉だけで危険を伝えることに限界を感じた場合は、実際のドライブレコーダー映像を使った危険予知トレーニング(KYT)や、スマホで繰り返し学べるeラーニングを活用することも有効な手段のひとつです。リアルなヒヤリハット映像や事例を見せることで、シーズン前にドライバーの意識を引き締めやすくなります。

導入前にしっかりと比較を

当メディアでは、ベテランが多い、あるいは時間が不規則といった「現場の状況」に合わせた比較軸で各サービスを解説しています。自社が抱える事故リスクを解消するために、どの観点で比較すべきか。
より詳しいサービスの特徴や選び方のポイントは、ぜひTOPページでご確認ください。

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教育に必要な内容は、ベテラン・初心者が多いか、あるいは勤務時間が異なりドライバー全員参加での研修が難しいといった現場の状況によって異なります。そこで今回は、それぞれの状況に合わせた3社を厳選。自社にフィットするサービスをご紹介します。

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  • 慣れや慢心から運転癖がついている
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アスア公式HP
引用元:アスア公式HP
https://tryesprogram.jp/tryes_support/
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勤務時間が違うドライバー
が多い運送会社向け
例えば・・・
  • シフトがばらつき全員が揃わない
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引用元:シータイム公式HP
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初心者ドライバー
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