貨物軽自動車安全管理者に選任されるためには、事前に所定の講習を受講することが必須です。「どこで受けられるのか」「オンラインで完結するのか」「何時間かかるのか」など、制度を知ったばかりの個人事業主や軽貨物フランチャイズのオーナーからは、受講の実務に関する疑問が多く寄せられます。このページでは、貨物軽自動車安全管理者講習の時間数・内容・受講方法を整理します。
貨物軽自動車安全管理者になるためには、選任前に受ける「初回講習」と、選任後2年ごとに受ける「定期講習」の2種類を受講する必要があります。いずれも、国土交通大臣の登録を受けた講習機関でなければ受講できず、自社内での勉強会や動画視聴だけで代替することはできません。
※参照元:国土交通省「物流・自動車:登録貨物軽自動車安全管理者講習機関の一覧」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000173.html)
講習は、次の4つの区分で構成されています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| ① | 自動車運送事業、道路交通等に関する法令(貨物自動車運送事業法、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法等) |
| ② | 運行管理の業務に関すること(制度の趣旨・内容、安全規則に基づく運行管理の実務) |
| ③ | 自動車事故防止に関すること(飲酒運転防止、労務管理、健康管理の基礎知識、事故事例に基づく防止対策) |
| ④ | 修了試問及び補習(修了試問と、理解が不十分な受講者への補習) |
時間数については、告示上、①の「法令」区分だけでも初回講習は5時間以上、定期講習は2時間以上と定められています。②〜④を含めた講習全体の合計時間は、各登録講習機関が設定するカリキュラムによって前後するため、申込み時に各機関の講習時間を確認しておくと安心です。
講習は、eラーニング(オンライン)と対面のいずれかで実施されます。登録されている講習機関には、eラーニングのみに対応する機関、対面講習のみを行う自動車教習所、両方に対応する機関があります。独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)など一部の機関はeラーニングに対応しており、スマートフォンやパソコンから受講できる点が、日中は配達業務で身動きが取れない軽貨物ドライバーにとって大きな利点です。
一方、自動車教習所など対面型の機関では、実際の会場に出向いて受講する形になります。地域によってはeラーニング対応機関が少なく、対面受講が中心になる場合もあるため、自社の営業所がある地域で、どの方式の講習機関が利用できるかを事前に確認しておきましょう。
※参照元:国土交通省「貨物軽自動車安全管理者講習機関一覧」掲載情報に基づく(2026年時点、登録機関数・実施方式は変更される場合があります)
受講・選任の期限は、貨物軽自動車運送事業の経営届出を行った時期によって異なります。
| 区分 | 期限 |
|---|---|
| 令和7年4月以降に経営届出を行った事業者 | 猶予期間なし。速やかに選任・受講が必要 |
| 令和7年3月末までに経営届出を行った事業者(既存事業者) | 令和9年3月末までに選任・講習受講 |
| 既存事業者の特定運転者への指導・適性診断 | 令和10年3月末までに実施 |
新規参入の事業者には猶予がない一方、既存事業者には一定の経過措置期間が設けられています。ただし「期限はまだ先」と後回しにしていると、定期講習の受講手配や繁忙期の業務調整と重なり、結果的に期限ギリギリの対応になりがちです。選任予定者を早めに決め、講習機関の予約枠を確保しておくことをおすすめします。
※参照元:国土交通省「貨物軽自動車運送事業者の安全対策が強化されました」リーフレット(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001986070.pdf)
eラーニングで受講する場合は、受講機関ごとに推奨環境(通信速度、カメラの要否など)が定められていることがあるため、申込み前に受講環境の要件を確認しておきましょう。また、修了試問で一定の理解度が確認できない場合は補習が課される仕組みになっているため、法令・制度の内容を一度で理解できるよう、事前に制度の概要(選任義務や記録の保存義務など)を把握したうえで受講すると、スムーズに修了できます。
定期講習は2年ごとに受講が必要な継続的な義務です。初回講習を受けて選任しただけで終わらせず、次回の受講期限を社内のスケジュールに組み込んでおくことが、うっかり失念による選任要件の未充足を防ぐポイントになります。
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